失業時にプログラミングを学び、長期的なキャリアを形成したいと考える方は増えています。
民間でもプログラミングスクールが話題となり、文系・理系関わらず取り組める状況も話題になっていますよね。
しかしいざ失業して職業訓練を受ける際、プログラミングは学べるのか気になる方は多いでしょう。また修了後、無事に就職して働き続けられるのか疑問になることもあります。
「職業訓練でプログラミングは学べるの?」「修了後はしっかりと転職はできる?」このような疑問に対し、職業訓練校の元プログラミング講師が訓練校の実態についてまとめました。
職業訓練でプログラミングは学べますし、選び方を間違えなければ第一線で働き続けることも可能です。
この記事を読むとこんなメリットがあります!
- 職業訓練でプログラミングを受ける際のメリットやデメリットがわかる。
- 就職で失敗しないための基礎知識やお得な受講方法がわかる。
- 注意点を踏まえた上でプログラミングを学べる。
職業訓練でプログラミングは受けられる!お得に受けられるが注意点も…?
職業訓練でプログラミングを学ぶことは可能です。訓練給付制度を活用すれば、お得に受けられるのも嬉しいポイントですね。
しかしお得に受けられる反面、利用時には条件が必要となります。
また職業訓練校のほかに民間スクールも選べるため、初めて職業訓練でプログラミングを受けようとする方は混乱するかもしれません。
職業訓練とは?2つの種類がある
職業訓練は正式名称をハロートレーニングと呼び、求職者の支援を行う公的な訓練制度です。
訓練の種類には、下記2つの種類があります。
- 公共職業訓練
- 求職者支援訓練
公共職業訓練は、雇用保険の受給者を対象とした職業訓練です。(在職中や高等学校の卒業者も有料で受講できます)
活用する際はハローワークにて手続きを行い、必要な書類選考や面接・試験を受けなくてはなりません。
求職者支援訓練は雇用保険を受給できない方、受給が終わった求職者を対象としています。
自身の対象が雇用保険を受給しているか否かで変わるため、事前に窓口で相談したりチェックしたりして活用しましょう。
受講の際は下記のような流れとなります。
- ハローワークにて申し込み、職業相談
- ハロートレーニング実施施設にて申し込み
- 面接、筆記試験等
- 合格後、ハローワークにて受講の斡旋
- ハロートレーニング受講開始
ハローワークとハロートレーニングを実施する施設は別々なので、その点にだけ注意が必要です。
教育訓練給付制度は絶対活用すべし
教育訓練給付制度は能力開発やキャリア形成を支援するため、指定の教育訓練を受けた方へ給付金が支給される制度です。
一定の要件を満たせば、ほぼ無料で職業訓練を受けられます。また無料とならなくても、かなり格安で受講可能です。
つまりプログラミングを新たに学びたいと思った際、教育訓練給付制度を活用すればお得に専門的なスキル獲得ができます。
対象となる資格は、下記に一例をまとめました。
- 不動産系(不動産鑑定士、宅地建物取引士等)
- 法律系(行政書士、税理士等)
- 介護系(介護福祉士、社会福祉士、ケアマネージャー等)
- 医療系(医療事務、調剤薬局事務等)
- その他(ファイナンシャルプランナー、通関士、電気工事士、Javaプログラミング能力認定試験等)
またすべての講座やスクールが対象となるわけではないので、厚生労働省のホームページから教育訓練講座検索システムを検索しましょう。
難しければハローワークにて相談し、必要な手続きを取れるようにしておくと良いです。
給付金制度の種類と違い
給付金制度はさらに、下記3つの種類に分かれます。
- 一般教育訓練給付金
- 特定一般教育訓練給付金
- 専門実践教育訓練給付金
それぞれ条件や対象となるものが少し違うものの、大きな違いは支給される金額です。
そして支給される仕組みが違うため、どのスクールを受けるかによって使える制度が変わってきます。
【一般教育訓練給付金】
受講料の20%、上限は10万円。訓練終了後に支給。
【特定一般教育訓練給付金】
受講料の40%、上限20万円。訓練終了後に支給。
【専門実践教育訓練給付金】
受講料の最大70%、上限56万円。期間中、6ヶ月毎に支給可能。
とくに狙うべきは専門実践教育訓練給付金です。最大70%なら、かなり自己負担を少なくして専門分野を学べます。
プログラミングであれば対象となっている民間スクールもあり、失業中であれば教育訓練支援給付も活用可能です。
(失業保険の給付がすでに終了している場合、条件を満たせば一定額が支払われます)
ぜひ上記の給付金を活用し、お得にプログラミングを学習すれば長期的なキャリア形成も夢ではないでしょう。
職業訓練校と民間スクール
失業中の方向けに提供される職業訓練校を利用する場合と、民間のスクールを自ら探して受講するパターンがあります。
職業訓練校は国や自治体が主体で運営しており、年間で30万人ほどの方々に利用されるほどの施設です。
失業中の再就職支援を行い、受講料は無料で知識や技術を身につけられます。また実施している講座も幅広く、自身のキャリアを改めて考えるキッカケにもなるでしょう。
民間スクールを探す場合、事前に対象となる講座を探して受講しなくてはなりません。
そして自身でハローワークにて手続きを行い、給付金を得られる流れです。
プログラミングを再就職の手段として活用したい場合、民間であればさらに踏み込んだスキルを得られる可能性があります。
(国や自治体運営と違い、競争して評価が得られないと運営が成り立たないため)
【職業訓練】訓練校でプログラミングって実際どうなの…?実態を教えて欲しい
実際に訓練校でプログラミングを受けたいと思った際、実際のところどうなのか気になるのではないでしょうか。
無料だからこそお得に受けたいと思うものの、なんとなく専門性に欠けるのではないか…そう思う方も多いです。
そこで元講師が実態についてまとめましたので、悩まれる方はぜひ参考にしてください。
実態その①実務経験がない講師がいる
実際のところ、訓練校の講師は実務経験がない方もいらっしゃいます。
実務の経験があるかないかは、学ぶ上でもサービスを提供する上でも違いが大きいです。
そのため講師によっては学びの進捗が悪く、自覚がないまま就職を迎えてしまうリスクもあります。
また職業訓練校で講師をする場合、とくに資格が必要というわけではありません。知識があり、必要なカリキュラムを教えられるのであれば基準を満たしています。
どうしても国から求められる基準が目に見える「資格」や「カリキュラム」の到達具合なので、その基準に焦点を合わせるのは仕方のないことです。
しかし現場としては資格やカリキュラムよりも、スキルや実績がほしいところ。
実務経験が無い講師の場合、現場のリアル感が伝えられずに就職後のミスマッチが生まれてしまう可能性は否定できません。
実態その②現役じゃない講師がいる
プログラミングは常に新しいものが生まれており、最先端の情報を必要とする分野でもあります。
そのため現役の講師がいるかいないかで、情報の質に大きく差を付けてしまうでしょう。
実態その①でも挙げたように、講師には実務経験が無い方もいらっしゃいます。同時に現役じゃない講師もいるのです。
場合によっては古い知識を提供してしまうこともあり、その情報が最新と勘違いしてしまう場合も。
理想を言うなら現役かつ実務経験がある方に教わるのが一番ですが、職業訓練校では講師の質にどうしても差が出てきます。
つまり講師から教わる以上に自身で学習する必要があり、向上心を持たなければ現場で通用するスキル構築は難易度が高くなってしまうでしょう。
実態その③ついていけない人が多数
プログラミングは非常に専門性が高く、今まで学んだことがなければかなり難易度が高いです。
機械に分かる言語で命令を出していく技術は、日常でも当てはまるものが無いので想像もつかないでしょう。
単純に体を動かすだけではなく、指先を動かして特殊な言語を組み合わせていきます。実際のところ、ついていけない人が多数いるのは否めません。
また職業訓練校のカリキュラムはあまり難易度が高くないため、無事に通過したとしても正社員での就職は厳しいです。
その現状を知りながらモチベーションを保てる方が少なく、気付いたら途中で諦めてしまった…という事態につながります。
取り組む際は事前に明確な目標を持って取り組み、日々理解できるように予習・復習を続けていく必要があるでしょう。
実態その④カリキュラムだけで就職は厳しい
実際のところ、職業訓練校で提供されるカリキュラムは資格取得に重きを置いています。現場に出ても、全く右も左も分からない状態からスタートすることになるでしょう。
そのため正社員での就職も少なく、ほとんどは派遣社員として就職していきます。(もちろん技術の向上に努めれば、正社員登用は十分可能です)
下記に図を引用しますので、令和2年度の公共職業訓練を修了した方の就職状況も見ていきましょう。(情報系の欄を参照してください)

上図のように、公共職業訓練を修了したあと就職しているのはおよそ60%の割合です。残りの40%は就職できていない現状となっています。
就職したい会社にもよりますが、第一線で活躍し続ける高度な技術力は、訓練校のカリキュラムだけだとかなり厳しいです。
職業訓練でプログラミングを学びたい!とにかくおすすめの手段は?
職業訓練校だとカリキュラムの内容が少し厳しい…。かといって民間は実際どうなんだろう?と悩まれる方もいらっしゃるでしょう。
ここでは将来性も踏まえた上で、どのようにプログラミングを学んでいけばいいかをご紹介します。
ぜひこの項目を参考にしながら、自身のスキル獲得を目指してくださいね。
職業訓練校ならWeb制作コースがおすすめ
職業訓練校で受講できるコースは、プログラミング系なら次のとおりです。
- セキュリティエンジニア科
- Webサイト制作科
- Javaシステム養成科
- Javaシステム科
- ITビジネスエキスパート科
- ネットワーク・サーバ構築科
- AWS・クラウドエンジニア科
未経験だと何をやったらいいかわからず、相談しておすすめのコースを選んでしまいがちです。
しかしフロントエンド開発の知識がないままAWS・クラウドエンジニア科を選択しても、正直全く理解が追いつかないでしょう。
未経験の方であればWeb制作コースを選択してください。Webエンジニアやデザイナーになるためのカリキュラムが組まれており、人気も年収も上昇傾向です。
Web制作ならリモートワークもしやすく、フリーランスとしても将来的に独立していける可能性があります。
民間のTechAcademyなら遠方でもOK!

TechAcademy [テックアカデミー]は、実はオンラインスクール初の「産業革命スキル習得講座」に認定されています。
現役エンジニアからオンライン受講が可能なので、以下の方におすすめです。
- 通学が難しく遠方に住んでいる
- 通学時間の確保が難しい
- 学習したい内容がある程度絞れている
自宅にいながらスキルの習得が可能なため、空いた時間で復習したりさらなるスキルアップも望めます。
同時に習得したいものがあり、ある程度やりたいことややるべきことが明確な方は、非常に良い選択ができるでしょう。
ただしオンラインスクールだと、一緒に高め合える仲間と出会うのは少し難しいかもしれません。
未経験でオフラインのスクールに通える方は、極力リアルの場で情報交換や高め合える相手がいると安心です。
GEEK JOBも選択肢の1つとして外せない

同じくGEEK JOBキャンプも無料で受けられるプログラミングスクールとして、非常に人気が高いです。
GEEK JOBは基本受講料が無料で、なおかつ就職の斡旋も行っています。無料で受けられる仕組みは、GEEK JOBが企業から紹介報酬をもらっているからです。
つまり途中で受講を辞めてしまうと違約金が発生するため、手軽に受けたいと考えている方は辞めておいたほうが良いでしょう。
しかし受講内容もJavaやPHPを中心に学べるコースがあり、実際の開発でも使われる実践的な言語です。
未経験であっても、90%以上が最短1ヶ月で学べるというようなカリキュラムで満足度も高め。
コロナ禍でもオンラインで受講が可能となったため、非常に人気が高まっています。
【結論】民間スクールならサポートも手厚い
結論として、未経験で確実な就職・将来性も考えるなら民間スクールを選んだほうが安心です。
自身で向上していける方なら職業訓練校でも構いませんが、無料で受けるのであればGEEK JOBといったスクールのほうが学習効率は高いでしょう。
また民間スクールは各企業とのパイプも作られており、就職サポートも手厚いです。
講師の質も高く、現役エンジニアからリアルなスキルを学び取れます。
本来民間で受けてしまうと高額な学習費用がかかるものの、うまく公的な支援制度を活用すれば最大3割の負担で受講可能です。
初心者のうちは教育の軸がないため、どう学んでいったらいいかわからない場合が多いでしょう。
しかし現役エンジニアがスタートダッシュとして学習をサポートしてくれれば、結果として成長も早く収入も上がりやすいです。
まとめ
職業訓練でプログラミングを学ぶことは可能です。
しかし職業訓練校でプログラミングを学ぶ場合、ある程度の学習意欲と向上心がなければ、就職してもかなり厳しい現状となってしまうでしょう。
そのためできる限り民間スクールを活用し、効率の良い学習環境を作ってください。
オンラインスクールであれば自宅で受講ができるため、空いた時間を活用して向上していくことも十分に可能です。
もしプログラミングに向いているかどうかわからないという方は、選択肢の1つとして違約金が発生しないようなスクールを選びましょう。
今後の需要も拡大し、市場としても大きくなっていく見込みのプログラミング市場。実際は勉強を続けていかなければならない分野でもあるため、向上していく意思も必要です。
技術を習得したからといって安心していると淘汰されてしまうので、今から学び続ける姿勢を意識しておくと良いでしょう。