転職を考え出したとき、どのタイミングが良いのか悩みますよね。転職は今後の人生を大きく左右する分岐点です。
入社してからがむしゃらに働いてきて、あっという間に1年が過ぎ、気付けば3年目、5年目という方も多いと思います。新人ではない立場に上司からの風当たりも強くなり、徐々に周りでも転職する人が増えきて焦りも出てきますよね。
「この先自分はどうなっていくのだろう」「このままこの会社で終わっていいのだろうか…?」など不安や悩みも増してきている頃でしょう。ではいったい何年目が良いのでしょうか。
転職するなら入社5年目が鍵です。今まさに5年目を向かえ転職を考えているのであれば、是非参考にしてください。
著者も入社5年目で初の転職を経験しましたが、その経験から得たポイントを解説していきます。

ここだけの話、今の会社の勤続年数が選考の基準になるケースもあるのよね。



実は私も5年目で転職を決めたときに、某大手人材会社から直接スカウトを受けたの。勤続年数を足切りにして選考をしていると言っていたわ。
理想と現実の違い
そもそも理想と現実には少なからずギャップが生じるものです。働いて初めてわかることはたくさんありますよね。年数を重ねるごとに企業としても、働く側としてもお互いに求めるものは大きくなり、それが寄り添わない限り不満や悩みは増えていきます。
それでも何かしらのやりがいを感じることができれば良いのでしょうが、もし感じられないのであれば転職することで改善できる場合もあるのです。
現在の自身のおかれている状況をしっかり把握しベストなタイミングで転職活動を成功させましょう。
年齢と年数の把握
転職を考えた場合、まず自身の年齢と勤務年数を把握しましょう。


「入社5年目」といっても年齢によって違いはありますが25歳~27歳が最も多く、企業としても扱いやすく求めている人材だと言えます。若手でありながらも、社会人としての基礎と経験を積んだ「期待の層」なのです。
20代前半の転職者に求めるもの
新卒の場合が多いと思いますが、企業としても賭けに近いものと言われています。社会人経験のものさしがない分、第一印象や本人のやる気が基準となります。採用側としては、「長く働いてくれればいいな」「貢献してくれるといいな」という気持ちなのです。
20代後半の転職者に求めるもの
ある程度の社会人経験を積み、成功談も生まれてくるころでしょう。「周囲に良い影響力を与えてくれるだろうか」「どのような起爆剤になるだろうか」など、素質が問われ近い将来のリーダー候補として期待されます。
30代前半の転職者に求めるもの
大前提として「即戦力」が挙げられます。培った経験や実績をどのように発揮してくれるかが期待され、リーダー素質の有無が問われます。
30代後半の転職者に求めるもの
管理職についているケースも多く、マネジメント志向を持ち合わせていることが最低条件になってくるでしょう。この年代の転職は実績が全てとも言えます。
入社5年目、転職を有利に進めるためには
仕事にも慣れプライベートでもさまざまな変化が出始める頃。入社3年目頃から周りでも徐々に転職する人が増えてくるせいもあり「自分も転職した方がいいのかな」と思う気持ちが増してきますよね。最低3年勤務していなくては転職には不利になることが多いのです。3年よりは5年。なぜ入社5年目が鍵なのでしょうか、その理由を3つのポイントでわかりやすく説明します。
社会人としての経験値
一つ目のポイントは、「経験値」です。入社5年目ともなると社会人としてのマナーが身につき、さらに応用ができるようになるため即戦力として採用される可能性がグッと高まります。企業としては、新人のように一から全て教え込むのではなく、一つ言えばその先を見据えた行動をとってくれる人材はとてもありがたいものです。
20代前半はまだまだ新人、30代になると経験豊富な管理職、丁度その中間の20代後半が入社5年目に相当し、伸びしろが多く、企業の期待度が高い中堅枠となるのです。
5年勤めた経験値と忍耐力は高い評価を得られ、転職活動を有利に運んでくれるでしょう。
入社1年目の特徴
入社1年目は、社会人としてまだまだ未熟なため常に勉強の日々です。まずは与えられた業務をこなし仕事を覚えることが優先されます。会社の決まりや仕事の流れなどを覚え、言われたことを言われたようにやればよいのです。
「優秀さ」は求めていません。入社1年目から期待通りの働きをしてくれる人材なんてほぼいないのですから。多少の失敗は大目に見てもらえる分、変な意地やプライドは捨て学ぶ姿勢を第一に持つことが一人前になるための近道とも言えます。
入社3年目の特徴
入社3年目には、自分で考えて行動する判断力が求められます。もう新人ではありません。上司の指示がなくても効率よく動けるようになるのが3年目頃でしょう。「3年目の壁」という言葉聞いたことありませんか?「石の上にも三年」という言葉があるように、3年働かずに仕事は理解できない、3年我慢できない者は忍耐力がないと言われているのです。
「まずは3年頑張ろう」と思い働いてきた人は少なくはないはずです。しかし、この頃から周りでも転職する人が出始め自身の心境の変化も出てくる頃でしょう。
入社時に思い描いていたような社会人生活ではない、思っていた仕事内容ではなくやりがいを感じられない…など悩みがでてくる時期なのです。
入社5年目の特徴
入社5年目ともなるとある程度の役職についたり、責任ある立場になるでしょう。その分周囲からの見方が変わり期待度も増してきます。この頃から昇格に差がつき、給料にも差が出始めてくるでしょう。順調に出世コースを進む人もいれば、芽が出ず出世コースから外れてしまう人もいるのです。
仕事が出来る・出来ないだけではなく、上司の力や与えられた環境によっても左右するため自力ではどうしようもないこともあります。だからこそ不満を大きく感じるのです。やりがいを感じられない負の連鎖に陥り「このままでいいのだろうか…」と思う気持ちが強くなっていくのです。環境が変われば本来の力を発揮でき、昇格・昇給に繋がるケースも考えられます。
モヤモヤしている気持ちで働くより、自分の力を信じ新たな環境で働くメリットは十分にあります。
キャリアアップが見込める
二つ目のポイントは、「キャリアアップ」です。今の仕事にやりがいが感じられない、持っているスキルや知識を活かしきれていないなど「キャリアアップ」を目的に転職に踏み切る人は少なくはありません。
転職することで仕事の幅を広げよりよいポジションにつく、収入を上げることができる、専門的なスキルを向上させるなど、人によりキャリアアップの中身は違ってきます。
社会人5年目の20代後半はこの先の貢献度が期待でき、企業としても優秀な人材を確保したいと思うところなので、この時期の転職は圧倒的に有利になります。
キャリアアップの中身を明確にする
どんなに条件が良くても「なんとなく…」ではいけません。自身が求めるキャリアアップの中身をしっかりイメージしましょう。
「5年後はどんな仕事をしているのか」「10年後はどうなっていたいのか」などキャリアプランを明確に持つことが大事です。そのキャリアプランへ向けた行動をとることが転職の成功へ繋がります。
さらに、求めるキャリアアップは今の会社ではなぜ実現しないのか?きちんと言葉で伝えられるようにしておきましょう。面接では必ず聞かれることです。
未経験分野への可能性
三つ目のポイントは、「未経験分野」です。他の年代に比べ未経験分野への転職がしやすいのが入社5年目の20代後半とも言えます。今後の成長に期待し採用している企業が多いのです。
入社3年以下でも未経験分野への転職は可能ですが、勤続年数が短い人は忍耐力の無さが疑われてしまい「またすぐ辞めるかも」と思われがちです。専門的知識がなくても、たとえゼロからのスタートになったとしても培った努力と忍耐力で優秀な人材に発展する可能性を信じ、積極的に採用している企業は多いのです。
勤務年数は一つの価値である!
たとえば、新卒で入社し勤務年数1年の人と、勤続年数5年の人が未経験分野にチャレンジしようとした時、「初めての職種」という部分は同じであっても「仕事」に対して費やした時間は比べようがないものであり、それまでに得た経験は全く違うものになります。その経験をもとに未知の分野であっても考え行動できるという「期待」に繋がるのです。
勤続年数3年で「信用」が得られ、5年で「価値」を得られると言っても過言ではありません。
しかしここで勘違いしてはいけないのは、勤続年数が長ければ未経験分野への転職が有利かというとそうではありません。仮に勤続年数10年の人が採用されやすいか考えたとき、年齢を思い出してください。
大卒で入社し勤続年数10年の人は32歳です。30歳を超えるとやや条件が厳しくなってきます。その理由として、30~34歳の転職者へは「即戦力」「マネジメント力」「部下への指導」などのニーズが高くなる傾向にあります。今までの実績を活かして…ということが難しくなるため、転職が有利になるわけではないのです。


入社5年目は絶好のチャンスである
入社3年目まではとにかく頑張り、4年目頃から少しずつ慣れがでてくる分不満も増えてきますが、周りに流されてはいけません。大卒で入社し5年目と仮定したとき、27歳です。これから転職し3年後は30歳です。5年後は32歳です。万が一、次の転職をする場合は年齢的に大台にのり、条件がグッと厳しくなります。
つまり入社5年目の27歳というのは、転職の絶好のタイミングであり、企業選びが重要になるのです。


まとめ
上記でお分かりいただけたよう、「入社5年目」での転職は人生の分岐点です。ポイントさえ押さえればその転職を有利に進めることが可能なのです。こちらを読んでくれている方の中には入社3年目、4年目の方もいると思いますが、転職を急ぐ理由がないという方は「入社5年目」の転職に向けて準備期間だと思い、自身のキャリアプランを見直しましょう。5年先、10年先を見越したキャリアプランをたて、失敗しない転職活動にしてください。