キャリアアップを考えた転職は、今後の人生を大きく左右するほど大きな分岐点です。
とはいえキャリアアップ転職とはどういうものなのか、具体的に考えても少しわかりづらい面がありますよね。
- キャリアアップ転職ってそもそもどういう意味?スキルアップとは?
- 今後キャリアアップ転職をする上で活用できるコツを教えてほしい
- 失敗する人や成功する人の事例を知りたい
キャリアアップ転職を考えた際、上記のような疑問を持たれる方もいらっしゃるでしょう。
そこでこの記事では、「キャリアアップ転職を考える人の具体的な考え方と行動方法」について網羅的にまとめました。
初めてキャリアアップ転職を行おうとする方でも、当記事を読めば基本的なことから実際に転職するまで行動できるようになりますよ。
ぜひ参考にしてくださいね。
転職でキャリアアップってどういう意味?自分の目的を再確認しよう
20代である程度会社に慣れてきたとき、ふと「このまま今の仕事を続けてもいいのだろうか」と悩むことがありますよね。
年齢も考えると転職は早いほうがいいし、もしかすると今のキャリアを高めれば年収アップや待遇改善ができるかもしれない。そう思われる方もいらっしゃるでしょう。
しかしそもそもキャリアアップとは何を指すのか?必要なのは、スキルアップなのではないか。よく考えてみる必要があります。
キャリアアップとは?スキルアップとの違い
「キャリアアップ」とは、キャリアを上げていく行動全般が該当します。具体的には社内での昇進や、転職で今よりも経歴を良い方向に高めていくことです。
役職だけではなく収入を上げたり、現在よりも上流工程に携わったりしてキャリアを上げていきます。
また似たような言葉にある「スキルアップ」は、経歴と違い技術や能力そのものを上げていく行動です。
- キャリアは経歴
- スキルは技術や能力

例えば プログラマーが技術参考書や勉強会で学習し、品質の安定した作業を今よりもスピーディーに行える状態になるのがスキルアップ。



スキルアップを経てプログラマーから上流工程のシステムエンジニアへ、経歴をアップさせていく状態がキャリアアップね。
具体的にどうなりたいのかを明確にする
もし今のキャリアで悩んでいるなら、具体的にどういう姿を目指すべきかじっくり考える必要があります。
最終的に目指す姿はどういうものか?というキャリアプランを描いていけば、目標から逆算して今の自分に足りないものをどう補うのか考えられるでしょう。
そのためあくまで、「目指す姿に対しての手段として、キャリアアップ転職を選択する」という目的を念頭に置いてください。
転職が目的になってしまうと転職後にミスマッチが起きやすく、せっかく行動を起こしても失敗してしまう可能性が高くなります。
まだ具体的なイメージはなくても良いので、まずは漠然とした「将来こうなっていたらいいな」という姿を想像してみましょう。
そしてその状態へ到達するために足りないものを書き出し、具体的になにをすべきか箇条書きで紙やノートへ書き出していけばより明確な行動ができます。
悩んだら客観的に判断できるエージェントの利用もアリ
今後どういう働き方をしていけばいいか悩み続けていると、本来自分がどうすべきなのかよくわからなくなってくることもあります。
もし客観的にどうすればいいか判断に迷う場合は、転職のプロに相談するのもひとつの手です。
例えば転職エージェントであれば、どんなキャリアを描いていけばいいか無料で相談できます。
転職エージェントはキャリア構築のプロであるため、自身の市場価値を加味しながら総合的な判断を下せるでしょう。
意外と一人で悩んでいる場合は正しい判断ができず、ただ悩み続けてしまう場合も多くあります。
そんなときはエージェントを活用してみれば、思わぬ方向で大きな可能性が見えてくることもあるのでおすすめです。




キャリアアップ転職で実際に聞かれる質問や対策!印象を良くするために
キャリアアップ転職では、安易な考えで面接に挑むと逆にマイナスな印象を持たれてしまう可能性があります。
そのため具体的に、どういう手段でキャリアアップを考えているのか?キャリアアップをどう捉えているのか?を考えておきましょう。
面接官からの立場も参考にすれば、具体的にどんな考え方で挑めばいいのかがわかるはずです。
実はキャリアアップを理由にすると印象が悪くなる可能性もある
転職理由でキャリアアップと答えるのは、とくに20代の転職でよく発言されることが多い項目の一つです。
そのため面接官から見ると、「キャリアアップ」を安易に使っていないか?と思われてしまいます。
なぜなら非常に聞こえがいいので前向きに見える反面、具体的にどうキャリアアップをしていくのか明確ではないからです。
まずはどういう手段で自分の経歴を上げていきたいかを説明した上で、それがどのように会社への貢献につながるかを伝えられるようにしましょう。
会社は人材を育てるべき側面はありますが、学校ではありません。キャリアアップという自己実現を叶えたいという想いだけでは会社側のメリットがありません。
特に中途採用においては即戦力を求められるため、あくまでもキャリアアップを通じて会社とともに成長していきたいという意思をしっかりと伝えましょう。



自分のキャリアアップだけを目標にされても困ってしまうの。



スキルアップを通じて会社に貢献したいこと。
その結果、キャリアアップにつながるのだという流れがあるといいわね。
前向きに現状の問題を捉えつつ客観的な事実を伝える
キャリアアップ転職を考える上で多いのが、現場への不満から新しい環境を求めることです。不満から行動してしまうとどうしても現在の会社に対する不満やマイナスなイメージを漏らしてしまい、相手からの印象は悪くなります。
なぜなら結果に対して自分ではなく他人へ矛先が向いている、他人のせいにする傾向がある?と捉えられてしまうからです。
なぜ今の環境ではキャリアアップを望めないのか。前向きに現状の問題を捉え、解決するにはどうするのが良いかを考えましょう。解決が難しく、転職によって環境を変えるにふさわしい理由を提示しなくてはなりません。
なお理由次第では、「弊社じゃなくても達成できるのでは?」と思われてしまうこともあります。
そのため自身が現状ではキャリアアップを望めない理由について明確にし、その上で実際に行動した実績も説明できるようにしておくと良いです。
面接で伝えられる転職理由の回答例について
では実際に面接で伝えられる回答例についてまとめていきますので、ぜひ参考にしてください。
回答例1:より専門的な領域を学びたいと思ったとき
入社時から接遇やコミュニケーションの大切さを実感しており、自身も外部の接客マナーセミナーに参加するなどして積極的に取り組みました。その結果、社内のサービスマナー評価でA判定をいただいています。しかし社風がまだサービスマナーを重視していないせいで、悔しい思いをたくさんしました。御社ではサービスマナーを重視している風土があり、関連部署も豊富です。今後はそういった環境で知識や技術を深めつつ広めていけるよう、転職を決意しました。
回答例2:チャンスがある環境に飛び込みたいと思ったとき
新卒からおよそ5年ほど、製造部門のハンドルマンをこなしてきました。今では部下もでき、複数のタスクと進捗管理を担っています。しかし会社の規模が大きく、どうしても年功序列の制度が強いです。先輩方を見ても、このまま続けて働いても5年後も同じ仕事をしているイメージしかありません。御社では若い方でも実力次第で昇進している風土があり、どんな人にでもチャンスがあると感じています。困難があっても創意工夫をしながら乗り越えていきたいと思い、転職を決意しました。
回答例3:最新の技術や環境で学び続けたいと思ったとき
エンジニア職として働いている一方で、最近では自身のできることをもっと増やそうと積極的に社外の勉強会へ出席しています。そこで多くの企業と情報交換を行った結果、現在勤めている会社は最新情報や技術の取り入れが他社よりも圧倒的に遅いと感じました。提案も行いましたが、予算が限られているため現状では改善が難しいと言われています。このままでは少しずつ最新の技術や情報から取り残されてしまうと思い、積極的に該当事業へ投資を行っている御社で技術を磨きたいと考え、転職を決意しました。



どの回答も、「現在勤めている会社だと、自分の力ではどうにもならない」というのが伝わってくるわね。



叶えたい未来のために努力をしているのは大前提で、それを実現させるための手段が転職というわけね。
転職してキャリアアップを目指すなら3つのコツを押さえて選択を!
キャリアアップ転職を考えている際、押さえるべきコツが3つあります。
- 実現に近い企業を選択する
- 待遇ばかりを気にしすぎない
- 新しい環境へ溶け込める意欲をアピールする
上記はそれぞれキャリアアップ転職を考える上で非常に重要な要素のため、ぜひ押さえておきましょう。
なりたい自分の実現に近い企業を探す
実際にキャリアアップ転職を考えて企業を探す際、「自分の最終的になりたい姿」を実現できる環境に注目しましょう。
具体的になりたい姿をイメージしないと、転職後にミスマッチが起きやすいです。
そして企業の絞り込みが終わったら、募集要項をよく読んでどんな人材を募集しているのか見極めを行います。
将来のリーダー的存在を求めているのか、専門性の高いスペシャリストを求めているのか。求めている人材に対するマッチングが正確なら、転職も成功しやすいです。
また大企業や古くから歴史のある企業、官公庁といった環境は比較的キャリアアップに時間がかかります。
ベンチャー企業や外資系、成果主義を導入している会社であれば若くても責任をどんどん任せていく傾向にあります。
目先の年収や待遇ばかりを気にしすぎない
キャリアアップで転職を考えている場合、以前の環境よりも良くなることを強く望んでしまうため年収や待遇を気にしすぎてしまうことがあります。
しかし企業側はそれぞれ方針や計画があるため、年収や待遇を優先しすぎると方針の違いから職場に馴染めない可能性も。
働きたい企業が見つかったら、風土や評価制度をあらゆる情報から取り入れて判断しなくてはなりません。
またある程度気持ちを切り替えてゼロからスタートさせていく!と、取り組み方を新たにすることも大切です。



ホームページや求人サイトでわからないような情報は、
口コミサイトで知ることができるわよ。


コミュニケーション力や順応力も重要
キャリアアップを考えた転職では、即戦力を求められることもあり、実務を中心にアピールすることになります。
しかし採用担当者から見ると、なかには「この応募者は、新しい環境でもうまくやっていけるだろうか?」という疑問を抱くケースも。
たとえスキルが申し分なくても、新しい環境に馴染めそうになければ企業としても採用を考えてしまうでしょう。
具体的にメンバーと協力しながら成功した事例を出したり、初めての環境でも調べながら業務に当たったりと適応力の高さをアピールすると好印象につながります。
キャリアアップ転職が成功する人と失敗する人は何が違う?特徴を分析
キャリアアップ転職では、成功する人と失敗する人で二分します。しかし両者の特徴は思ったよりも共通です。
この項目ではキャリアアップ転職で失敗する人、成功する人の特徴を紹介します。自分に当てはめて分析するためにご活用ください。
転職を重ねてキャリアアップしていく人の特徴
転職をするたびにキャリアアップをしていく人は、一定の成果を出してから次のステップへ進んでいきます。
ビジネスはある程度の結果を出さなければ見えない面も多く、途中で投げ出してしまうと同僚や関係者からもあまりいい目で見られません。
しかし一定の成果を出すことビジネスモデルの深い部分を理解でき、新たな職場においても再現性高く成果を出すことができるでしょう。また、次の職場へ転職した際もかつての同僚や関係者と協力しながら業務を進めやすいというケースも。
つまりキャリアアップを順調に重ねていく方は一定の成果を出し、業務の本質を学びながら人脈も広げていく特徴を持っています。



まずは今の職場で結果を出すことが第一ね。



成果を出すための筋道がついている人は、転職先でも同様に結果を出せるだろうと予測されるので作用されやすいのよ。
失敗してうまくキャリアアップができない人の特徴
キャリアアップに失敗してしまう人は、おもに以下2つの特徴があります。
- 負の感情から転職を考えてしまう人
- しっかり情報収集を行っていない
現職の業務内容や待遇に不満があり、抜け出したい一心から転職すること自体が目的になってしまっている人は注意しましょう。
なぜならその状態で転職しても、結局次の職場で同じような不満を漏らしてまた転職をする可能性があるからです。
ネガティブな状況から抜け出すのは大切ですが、安易に抜け出すことを目的とするのはよくありません。前向きに自分の目的に沿った行動を取るほうが良いです。
また合わせて転職先の情報収集を怠ってしまうと、転職後のギャップに悩むこととなります。
できるだけ給与面や待遇ばかりを気にせず、情報を収集して判断要素をたくさん集めましょう。
キャリアアップを考えるなら前向きな気持ちで挑む
キャリアアップでは、ネガティブな感情よりも前向きに解決する姿勢が非常に重要です。
将来どうなりたいのか、どうしていくのか。そのために今なにをすべきなのか明確にし、具体的に行動していきます。
そして目標に対する一手段として、キャリアアップ転職を選択するという流れを理解しておきましょう。
ネガティブな感情からキャリアアップ転職を選択すると、どうしてもその場限りの転職となってしまいがちです。
「残業が多いから」「給料が少ないから」といった理由で給与面や待遇ばかり気にしてしまい、転職してから将来性を感じられずに失敗と感じる方もいらっしゃいます。
前向きにこれからの人生をどうしたいのか、そのために何をすべきなのか冷静に考えてみるいい機会ですね。
まとめ
キャリアアップ転職では、明確に自分のなりたい姿をイメージしておく必要があります。そして具体的になりたい姿から逆算する形で、今足りないものを補っていく流れで考えていきましょう。
ネガティブな感情から焦ってしまい、情報収集を怠ったり安易な判断でキャリアアップを考たりすると失敗しやすいです。転職もうまく決まらず、たまたま内定をもらった会社に決めてしまい、環境がさらに悪化してしまう可能性もあります。
仕事人生の分かれ目であるからこそ、冷静になってしっかり将来のイメージを立てて行動すると良いでしょう。
この記事を読んでいる方は、きっと前向きに行動しようと情報収集をしている最中だと思います。
ぜひ当記事を参考に、キャリアアップに向けたアクションを起こしていきましょう!