転職するにはどのくらいのお金が必要なのか、どのくらいの貯金を準備しておけばよいのか知りたいのではないでしょうか?
転職するためには、交通費や服飾費、引越し料金などの費用から、生活するための費用など、さまざまなお金が必要です。在職中に転職活動をおこなうのか、退職後に転職後に転職活動をおこなうのか、どのくらいの期間で転職できるのかによっても必要になるお金は変わります。
この記事では、転職にはどのくらいのお金が必要なのか、退職後に転職活動をおこなう場合の注意点、失業保険をもらう場合の注意点、転職にかかる費用を抑えるポイントについて詳しく解説します。
転職で必要なお金はどのくらい?
転職するためにどのくらいのお金が必要なのかは、転職活動の進め方や転職できるまでの期間によって大きく変わります。自分の転職活動をイメージして、どのくらいのお金が必要なのかを確認しておきましょう。
転職活動にかかる費用の種類
転職活動にかかる費用の種類には以下のようなものがあります。
- 交通費
- 服飾費
- 交際費
- 雑費
- 引越し費
面接や採用試験にかかる交通費は、転職活動にかかる費用の中でも大きな割合を占めています。特に遠方での面接の場合は、交通費に加えて宿泊費も必要です。採用する会社が交通費を負担してくれるケースは少ないので、一度の移動で複数の面接が受けられる日程にする、深夜バスを利用して宿泊費がかからないようにするといった費用を抑える工夫をしましょう。
また、県外や遠方の会社への転職では、引越し費も必要です。独身なのか結婚しているのか、荷物はどのくらいなのかによってかかる費用は変わりますが、一度にまとまったお金がかかります。引越しが必要な転職を検討している場合は、事前に引越し費を準備しておきましょう。
転職活動の進め方次第で必要なお金が変わる
在職中に転職活動をおこなう場合は、今勤務している会社からの収入があるので、転職活動自体にかかる費用だけを意識すれば大丈夫です。一方で、退職後に転職活動をおこなう場合は、収入がなくなることを意識しておきましょう。
退職後の転職活動では生活費や税金、社会保険料にも注意
退職後に転職活動をおこなう場合は、収入がないまま転職活動をおこなうことになります。いつ転職できるのかは分からないので、どのくらいのお金を準備すればよいのかは分かりません。貯金や失業保険がなくなれば、満足に転職活動をおこなうことも難しくなります。ある程度の生活費は準備したうえで転職活動をおこないましょう。
生活費や家賃が必要
退職後の転職活動をおこなう場合に、必要になるお金の大半を占めるものは生活費です。在職中に転職活動をおこなう場合は収入が得られるのであまり気になりませんが、退職すると生活費が重くのしかかります。
転職できるまでの期間が長くなるほど必要な生活費は大きくなるので、転職活動に対してお金をかけることが難しくなるかもしれません。退職する前に、普段の食費や家賃など最低限生きていくために必要はお金はどのくらいなのかを確認しておきましょう。
収入がなくても税金や社会保険料は支払う必要がある
会社を退職してすぐに次の会社に就職できなかった場合は、国民健康保険と国民年金に加入する必要があります。会社に雇用されている場合より個人負担分が多くなるので、支払う社会保険料が多くなることを意識しておきましょう。
結婚している男性で奥さんを扶養していた場合は、奥さんの分の国民健康保険料と国民年金保険料がさらに追加されます。会社員の場合の健康保険では、扶養する家族の健康保険料と厚生年金保険料を支払う必要はありません。
しかし、退職後に加入する国民健康保険と国民年金では扶養する家族の分まで保険料を支払う必要があります。結婚していて家族が多い場合は、支払う社会保険料が大幅に増加することを理解しておきましょう
また、国民健康保険料と住民税は、前年の所得と住んでいる自治体の均等割額によって算出されます。収入がなくなったからといっても、納める保険料や税金がすぐに少なくなるわけではありません。
失業保険はすぐにもらえない場合もある
失業保険はすぐにもらえない場合がある点にも注意しておきましょう。条件を満たしていなければ失業保険はもらえません。いつから失業保険がもらえるのか、もらえるお金はどのくらいなのかを把握しておきましょう。
失業保険をもらう条件
失業保険を受給する条件は以下の2点です。
- 失業状態にあること
- 被保険者期間が一定以上であること
転職を理由に退職した場合に失業保険を受給するためには、退職する前の2年間のうち、雇用保険の被保険者期間が通算12カ月以上であることが必要です。
希望退職制度を利用して退職した場合や退職勧奨を受けて退職した場合は、特定受給資格者に分類され、失業保険の受給要件が緩和されます。退職する前の1年間のうち、被保険者期間が通算6カ月以上であれば失業保険がもらえます。
失業保険はいつからもらえるか
失業保険がいつからもらえるかは、自己都合退職か会社都合退職かによって異なります。自己都合退職の場合は、7日間の待期期間が経過した後さらに2カ月の給付制限期間が経過すると失業保険がもらえます。会社都合で退職した場合に失業保険がもらえるのは、7日間の待期期間が経過した後すぐです。
一般的に、転職を理由として退職する場合は自己都合退職に分類されます。希望退職制度を利用して退職した場合や退職勧奨を受けて退職した場合は、会社都合退職に分類されます。
失業保険でもらえるお金はどのくらい?
失業保険でもらえるお金は、基本手当日額と受給日数によって決まります。離職時の年齢と離職した日の直前の6ヶ月の平均給与によって基本手当日額が算定されます。
基本手当日額の下限と上限は以下の通りです。※2020年8月1日時点
離職時の年齢 | 基本手当日額下限 | 基本手当日額上限 |
29歳以下 | 2,000円 | 6,850円 |
30~44歳 | 2,000円 | 7,605円 |
45~59歳 | 2,000円 | 8,370円 |
60~64歳 | 2,000円 | 7,186円 |
受給日数は被保険者期間によって異なります。
被保険者期間 | 10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
受給日数 | 90日 | 120日 | 150日 |
再就職手当を利用すればまとまったお金を受け取れる
失業保険の受給期間が終わる前に転職できれば、再就職手当がもらえる可能性があります。再就職手当とは、早期の再就職を促進する制度です。
下記の条件を満たすことで再就職手当がもらえます。
- 7日間の待期期間を経過している
- 失業給付金の残日数が、所定給付日数の3分の1以上である
- 退職した会社への再就職もしくは関係のある会社への就職ではない
- 給付制限期間中の場合は、1ヶ月の間はハローワークあるいは職業紹介事業者の紹介による就職である
- 1年間以上勤務することが確実である
- 原則として雇用保険の被保険者である
- 過去3年以内の就職で、再就職手当あるいは常用就職支度手当の支給を受けていない
- 受給資格が決定する前に内定していた事業者への就職ではない
失業保険をすべてもらってから転職したほうがお得ではないかと考える人がいるかもしれませんが、早い段階で転職し、再就職手当と転職先の給料をもらう方がメリットが多いです。
転職活動は在職中におこなう方が費用が抑えられる
退職後に転職活動をおこなうと、収入がないまま転職活動を進めることになります。転職にかかる費用を心配しながら転職活動をおこなうより、在職中に収入を確保しながら転職活動をおこなうことをおすすめします。
在職中に転職活動をおこなうメリット・デメリット
在職中に転職活動をおこなうメリットは、収入が確保できることです。転職活動が長引いたとしても、すぐに生活に困ることはないでしょう。生活費に心配することなく安心して転職活動がおこなえます。
一方、思うように転職活動が進まないというデメリットがあります。退社後だけでは満足な転職活動ができないと思うかもしれません。休日に面接ができないかを確認してみる、有給休暇を利用してみるといった方法も検討してみましょう。
退職後に転職活動をおこなうメリット・デメリット
退職後に転職活動をおこなうメリットは、時間の制約を受けずに転職活動がおこなえることです。転職する会社の選定にしっかり時間をかけることができ、面接の予定も立てやすくなります。
一方、収入がないので生活費や社会保険料の負担が大きくなります。貯金を十分に用意していても、いつ転職できるのか分からないまま転職活動をおこなう精神的な負担は大きいです。退職する前に、出来るだけ下調べをしておいたり転職活動に専念したりして転職までの期間を短くすることを意識しましょう。
転職にかかる費用が気になる人におすすめの転職エージェント
転職エージェントを利用すれば、自分の経歴や所有する資格、適性に合わせた求人の提案をしてもらえます。求人サイトを利用して自分で調べるより、転職活動にかかる時間を減らすことができます。在職中に転職活動の時間をなかなか確保できない、転職活動の時間を短縮したいと考えている場合は、転職エージェントの利用をおすすめします。
転職エージェントは、「有料職業紹介事業会社」に分類されているため、求職者から手数料を取ることを禁じられています。転職エージェントを利用しても登録料や手数料が取られることはないので、安心して利用できます。
転職にかかる費用が気になる人におすすめの転職エージェントは、以下の3つです。
- doda
- マイナビエージェント
- リクルートエージェント
それぞれどのような特徴があるのかを解説します。
サポートに定評があるdoda

dodaは、「年収査定」「キャリアタイプ診断」「適職タイプ診断」などが利用できる転職エージェントです。業種や職種選びのアドバイスや職務経歴書の書き方、面接対策などのサポートも充実しています。dodaのサポートを活用して、転職にかかる時間と費用を抑えましょう。
2020年12月14日時点の公開求人数は68,114件と、転職エージェントの中でも求人件数が豊富です。取り扱っている業種も幅広いので、業種や職種を迷っている場合でも対応できます。
参考:doda
初めての転職ならマイナビエージェント

初めて転職する場合や転職に関する知識がない場合は、マイナビエージェントがおすすめです。マイナビエージェントは、転職サポートの評価が高く、新卒や20代の転職活動をバックアップしてくれます。幅広い業界や職種の求人を取り扱っているので、どのような会社へ転職するかを迷っている場合でも利用しやすい転職エージェントです。
参考:マイナビエージェント
求人件数が豊富なリクルートエージェント

リクルートエージェントは、公開求人件数、非公開求人件数がトップクラスの転職エージェントです。2020年12月14日時点の公開求人数は107,043件、非公開求人件数は120,565件となっています。「面接力向上セミナー」や「模擬面接サービス」、職務経歴書の書き方、面接対策を実施しており、転職サポートが充実しています。
参考:リクルートエージェント

まとめ
転職かかる費用には、以下のようなものがあります。
- 交通費
- 服飾費
- 交際費
- 雑費
- 引越し費
遠方への転職を目指す場合は、交通費と引越し費がかかることを意識しておきましょう。
また、在職中に転職活動をおこなうか、退職後におこなうかによって、転職できるまでにかかる費用は大きな差があります。在職中の転職活動は収入が確保できているため資金的な余裕がありますが、退職後に転職活動をおこなう場合は、生活費と社会保険料の支払いの負担が大きくなります。転職活動の期間が長くならないように工夫することを意識しましょう。
転職エージェントを利用すれば、自分で求人を探さなくても最適な求人を紹介してもらえます。自分の経歴や所有する資格、適性に合わせた求人の提案が受けられるので、転職にかかる時間を短縮したい人におすすめです。転職にかかる費用を抑えたいのであれば、転職エージェントの利用を検討してみましょう。