転職や就職において、面接や内定を辞退する際のマナーがあるのはご存知でしょうか。ただ断るだけでは心象を悪くする可能性もあります。
社会人として当然のマナーと言われていても、学ぶ機会がなかったせいで間違った行動をしていたかも…。なんて方もいらっしゃるかもしれません。
「どうやって内定・面接を辞退すればいいの?」「メールや電話でのマナーや例文を知りたい」など、この記事では皆さんが疑問に思っている、内定・面接辞退のマナーや伝え方について解説しています。
実際に自身で転職を3回経験し、また上場企業で採用担当として年間で書類選考3000件、面接500人を見てきた筆者がこれらの疑問について回答します!
転職に失敗しないためにも、ぜひチェックしてみましょう。
この記事を読むとこんなメリットがあります!
・内定や面接を辞退する際に必要なマナーがわかる。
・断る上での辞退理由や例文があるので、自分でゼロから考えなくても良い。
・相手の背景がわかるため、断りづらくても正しく辞退ができるようになる。
面接や内定を辞退するときは3つのポイントを守るのが社会人としてのマナー!
面接や内定を辞退しようと思った際、社会人として守るべきマナーが3つあります。
- 断りなしにバックレてしまうのは厳禁
- 連絡を入れる際はできるだけ速やかに
- 状況次第でメールと電話を活用
いずれも相手へ配慮を欠いてしまう考え方では、上記のマナーを守らず行動してしまいます。
社会に出てからも当然重要となることなので、しっかりと今のうちに身に付けておいたほうが良いでしょう。
ポイント1.バックレるのは絶対にダメ
選考を進めてくれた企業に対し、断りの連絡を入れるのはなんだか申し訳ない…。確かにそう思ってしまう気持ちもわかります。
しかし相手もあなたのために時間を作り、スケジュールを空けてくれているのは事実です。
もし連絡がなければ面接が行われるものという前提で進めるため、ほかのスケジュールは入れられません。
事前に連絡があれば、ほかにこなしておきたい予定を入れられるのです。
また相手の貴重な時間を奪ってしまっていることに気付けないと、もし就職や転職をしても取引先に対し失礼な行動を取ってしまう可能性もあります。
「今後関わらないからいいだろう」という考え方も、社会人として失格です。
関わる人や立場に応じて対応を変えるのではなく、すべての方にビジネスマナーとして正しい対応を心がけましょう。
ポイント2.断りの連絡は速やかに
面接や内定を断る理由は人それぞれです。自分に落ち度がなくても、家族の病気や事故も起こりえます。
しかしどんな理由であれ、断りの連絡を入れなくてはならない事態が判明したら速やかに連絡しましょう。
確かに断りの連絡を入れるのは少し気まずい思いがあるものの、担当してくれる方も人間です。仕方のない理由に対し、責めるようなことはありません。
また当日キャンセルはすでに予定を押さえているため、非常に印象が悪くなります。どんどん印象が悪くなる前に、速やかに連絡を入れておくほうが双方にとってメリットは大きいです。
早い段階で判明した場合はメールで伝えられますし、相手も余裕を持ってスケジュールの組み直しができます。
ポイント3.状況に合わせてメールと電話を活用
基本的に断りを入れる際は、メールで問題ありません。しかし状況次第では、電話を活用したほうが良い場合もあります。
具体的には、下記の2点を参考にしてください。
- 予定日まで余裕がある場合はメール
- 予定日まで余裕がない、当日の場合は電話
メールでの伝達手段はスマートに相手へ要件を伝えられるため、忙しくてもお互いの都合がいい時間に情報を受け取れます。
しかしいつでもメールを確認できるわけではありません。当日ギリギリになってメールをしたところで、未開封のまま当日キャンセルと疑われることもあるでしょう。
そのためメールを送ったにも関わらず返信がない場合、余裕があっても直接電話にて確認を取ったほうが良い場合もあります。
メールが自動的に迷惑リストへ入っている可能性もあるので、相手にしっかりと情報が渡っているかどうかを予測してください。
その上で最適な伝達手段を活用すれば問題ありません。
面接(内定)を辞退するときの例文を教えてほしい!メール・電話別の例文
面接や内定を辞退する際、どのような言葉で伝えればいいか悩みますよね。
そこでこの項目では、具体的にどんな内容でメールや電話をすればいいか例文をまとめました。
どんな内容で断りの連絡を入れればいいか悩む方は、ぜひ参考にしてください。
メールで【面接】辞退を伝える際のテンプレート
メールで面接の辞退を伝える際は、下記のような内容で送ります。
件名:面接辞退のご連絡 (自分の氏名)
~本文~
株式会社◯◯◯◯
採用担当 △△様
お世話になっております。◯◯◯◯です。
先日は面接のご連絡をいただきまして、ありがとうございました。
◯月◯日(曜日)◯時から面接のお約束をいただいておりましたが、一身上の都合により辞退させていただきたくご連絡を差し上げました。
貴重なお時間を割いていただいていたにもかかわらず、身勝手なお願いをしてしまい、誠に申し訳ございません。
本来であれば直接お伺いしてお詫びするところですが、メールでのご連絡となりましたことを重ねてお詫び申し上げます。
末筆ながら、貴社の益々のご発展とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
———————
◯◯ ◯◯(氏名)
〒
◯◯県◯◯市◯◯町0-0-0
電話:
e-mail:
———————
メールで【内定】辞退を伝える際のテンプレート
メールで内定辞退を伝える際は、基本は電話連絡が主です。しかしつながらなかった場合に、下記のテンプレートを参考にして送信してください。
件名:内定辞退のご連絡 (自分の氏名)
~本文~
株式会社◯◯◯◯
採用担当 △△様
お世話になっております。◯◯◯◯です。
先程お電話をいたしましたが、お忙しかったようですので取り急ぎ、メールにてご連絡いたします。
先日は内定のご通知をいただきまして、ありがとうございました。
このような嬉しいご連絡をいただきながら大変恐縮なのですが、一身上の都合により内定を辞退させていただきたくご連絡を差し上げました。
貴重なお時間を割いて履歴書に目を通していただいたり、面接でご対応いただいたりしたにもかかわらず、身勝手なお願いをしてしまい誠に申し訳ございません。
本来であれば直接お伺いしてお詫びするところですが、メールでのご連絡となりましたことを重ねてお詫び申し上げます。
最後になりますが、貴社の益々のご発展とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
———————
◯◯ ◯◯(氏名)
〒
◯◯県◯◯市◯◯町0-0-0
電話:
e-mail:
———————
電話で面接(内定)辞退を伝える際の例
電話で面接辞退を伝える際は、直前にメモを用意して読みながら電話をかけると良いでしょう。
辞退の理由を聞かれる場合もあるため、事前に書き出しておくとスムーズです。
~電話で伝える際の例~
応募者:お世話になります。以前、面接のお約束をしました○○ ○○と申します。採用担当の○○様はいらっしゃいますでしょうか。
~採用担当者が電話に出たあと~
担当者:お電話代わりました、○○です。
応募者:お世話になります、○月○日に面接のスケジュールを組んでいただいた○○です。先日はありがとうございました。
担当者:お世話になります。本日はどのようなご用件でご連絡をしてくださったのですか?
応募者:実は大変申し上げにくいのですが、一身上の都合により面接を辞退させていただきたくご連絡をいたしました。せっかくお時間を作っていただいたのに、申し訳ございません。
担当者:そうでしたか、非常に残念です。差し支えなければ、辞退の理由を伺ってもよろしいですか?
応募者:はい、自分がどのような環境で貢献できるかを慎重に検討した結果、別の企業さまとのご縁があり、そちらへ入社することを決意しました。
担当者:承知いたしました、わざわざご連絡ありがとうございます。
応募者:お時間を取らせてしまい、誠に申し訳ございません。お時間をいただき、ありがとうございました。では失礼いたします。
※内定辞退の場合は、面接を内定の文言に変えて伝えてください。上記のテンプレートは面接・内定ともに使える丁寧な内容です。
面接・内定の辞退に関する注意点!辞退の理由や伝えるべきタイミング
面接や内定を辞退する際、いくつかの注意点があります。
辞退の理由に関してどう説明したらいいの?なんて聞かれるんだろう…と悩む方もいらっしゃるでしょう。
また伝えるべきタイミングもあるため、しっかりと事前に復習しておくと良いです。
辞退の理由は詳しく話さなくてもOK
面接や内定も辞退する際、理由を詳しく聞かれることはそこまで多くありません。
多くの場合、「一身上の都合」とだけ伝えておけば問題ないでしょう。
ただし担当者の個人的な興味や、辞退理由をリサーチしている企業だと深く聞かれることがあります。
そのため事前に辞退の理由を考えておけば安心です。下記の4例を参考にしてください。
- 内定を他社からいただいた
- 面接を通じ、自分の求める方向とミスマッチを感じた
- 家庭の事情により就労が難しくなった
- (転職時)現職の退職をやめたor退職が難しくなった
理由とともに、お詫びの言葉と感謝の気持ちを伝えましょう。
また表現方法にも気を配り、できるだけ失礼のないように言葉を選んだほうが良いです。
ミスマッチを感じていても伝え方によっては企業批判とも取れるため、できるだけ真摯な姿勢が感じ取れるよう丁寧に答えてくださいね。
メールや電話は時間帯に注意
メールで辞退を伝える際、多くは自分が落ち着いた時間に送ろうと思ってしまいます。
しかし可能であれば、応募企業の営業時間内に送ったほうが良いでしょう。
どうしても遅い時間にしか送れないのであれば、冒頭に「夜分遅く失礼します」といった配慮のある文言を入れます。
また電話に関しても、始業直後や昼の前後は忙しくなっている可能性が高いです。
速やかに伝えたほうがベストな場合を除き、できる限り忙しくない時間帯を狙って伝えるようにしましょう。
せっかくお詫びの言葉を伝えても、相手が忙しければうまく伝わらない場合もあります。
再応募は難しい!辞退するなら再度考えてみよう
一度面接や内定を断った企業は再応募が難しいものと考えましょう。
そのため辞退を申し出る直前は、「本当に辞退してもいいのか?」をよく考えてから辞退の連絡をしてください。
- 今選んでいる企業のどこが自分と合わないのか
- 本当に自分が実現したいことはなんなのか
- 改めて今の自分にとって必要なことはどういう項目か
改めて上記のように考えを書き出し、改めて整理してみると思わぬ道が開ける可能性もあります。
辞退してから「やっぱり受けておけばよかった…」と後悔しないよう、辞退の直前にはしっかりと自分の気持ちに向き合いましょう。
もちろん内定が出た企業と比較して選ぶ場合でも、目の前の条件だけで決めていないか?本当に自分のやりたいことが実現できるかどうか、じっくり冷静に考えてみてくださいね。
面接や内定を辞退するのが不安…でも思ったより多くの人が経験している?
面接や内定を辞退する際、やっぱり断りづらいし不安…という方もいらっしゃるかもしれません。
でも意外と面接や内定の辞退を経験する方は多く、断りづらさはあるものの当たり前のように行われています。
自分の人生を決めていく上で、仕事は欠かせない存在です。しかしミスマッチを感じて棒に振るよりも、しっかり断るほうが企業と応募者双方に良い影響があります。
辞退する人は意外と多い
『エン転職』1万人アンケートによると、およそ3割近くの転職経験者が面接辞退を経験しています。
- 辞退したことがある 28%
- 辞退したことはない 72%
引用:『エン転職』1万人アンケート(2020年3月)「面接辞退」実態調査
つまり多くの方が面接辞退を経験しており、思ったよりも辞退している人は多い結果となっています。
辞退理由は「応募後の再考」「他社での内定」「ネットの評判」がトップ3となっており、ミスマッチを感じた上で辞退している結果です。
一番多い辞退の手段はメール
辞退する際に多く使われている手段はメールです。(参考サイト:面接を辞退する応募者のホンネとは?20代・30代の「面接辞退」に関する調査)
どうしても電話だとハードルが高く感じられ、多くの方が敬遠する理由となっているでしょう。
早い段階で伝えるのならメールでも問題ありません。しかし直前の連絡になってしまった場合や、しっかりと誠意を伝えたい場合は電話連絡がベストです。
メールで伝える際も、お詫びと配慮をしっかり行えば印象が悪くならずに済みます。
例え相手の対応が悪くとも連絡だけは必ずすること
では面接辞退の連絡をせず、いわゆるバックレをしてしまった方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。
参考サイトによると直接連絡が6割、エージェント経由が3割とおよそ9割もの方が辞退の連絡を入れています。(参考サイト:面接を辞退する応募者のホンネとは?20代・30代の「面接辞退」に関する調査)
つまり辞退の連絡をしなかった方は、およそ1割以下。この数字の結果からもわかるように、何らかの手段で連絡を入れるのがマナーというのがわかります。
また直接連絡をするのがどうしても不安な方は、最初からエージェントを使って転職活動を行ったほうがいいかもしれません。
まとめ
内定・面接辞退において重要なのは、「相手は想像以上に時間と手間を惜しんでくれている」という背景を考えることです。その背景さえ考えられれば、形だけの配慮にはなりません。
ですがどうしてもあらゆる環境がある以上、具体的なマナーや背景を知らない場合だってありますよね。
そして転職を成功させるために複数社の応募をしていれば、辞退しなきゃいけない場面のたくさん出てくるでしょう。
ぜひこれから転職・就職を控えている方は、上記のマナーを守った上で正しい辞退をしていってくださいね。
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