いざ転職活動を始める際、何から手をつけたら良いのか、どれだけ時間がかかるのかわからず悩むことも多いと思います。転職活動期間の目安は3~6カ月と言われていますが、効率よく転職活動を進めるには、「スケジュール管理」が重要になります。
スケジュール管理を行う上で必要になるのが、「計画」です。「期間」「職種」「選ぶ企業」、この3点を軸として具体的な方向性を決めるのです。転職がうまくいく人といかない人、違いは「計画の立て方」にあります。転職がうまくいく人の計画の立て方を知り、効率よく転職活動を進めましょう。
特に在職中に転職活動をする方の場合は、現職に影響がでないよう事前にしっかり計画を立てることが大切です。

スケジュール管理がうまくできていないと、最悪のケースではせっかくもらった内定を辞退することになりかねないわ。



転職活動をスムーズに行うためにも、しっかりと計画を立てましょう!
スケジュール管理とは?
予想外のトラブルや精神的スランプに陥ることもありスムーズに進まないこともあるでしょう。そんな時でもスケジュール管理をしっかりしておけば焦らず落ち着いて進めるでしょう。
「スケジュール管理」とは、「時間の使い方」です。
つまり転職というゴールに向かい、あらかじめ決めた時間配分のもとで行動するということです。スケジュール管理をすることで「優先順位」や「やるべきこと」が明確になります。近年では、ビジネススキルの一つと認識されているためスケジュール管理がうまい人は、仕事の効率化も良いと評価されるのです。
優先順位をつける
複数のことに同時に手を付けるのは危険です。自分のキャパシティを理解し、一つずつ順位を付けていくと良いでしょう。「今日やること」「時間があればやること」「3日以内にやること」など分類を分けることで、優先順位が把握できます。
タイムリミットを設ける
「いつまでにするのか」のタイムリミットを設けることで、厳守するための工夫ができます。転職活動においてのタイムリミットは、「〇月までに転職したい」という「〇月」です。そのタイムリミットに向かい計画を立てるので意欲的に取り組むことができるでしょう。
隙間時間をつくる
「スケジュール管理」=「時間の使い方」とは言え、空白時間を作らないということではありません。上手なスケジュール管理には、「隙間時間」が重要なポイントです。
例えば、時間を無駄にしないよう続けて面接を組み、「面接と面接の間が30分しか空いていない」。
この場合、交通機関の遅れやイレギュラーな事態が発生した際に、次の面接企業へ迷惑をかけてしまいます。迷惑だけではなく、自分の信頼も失いかねません。これは上手なスケジュール管理とは言えません。
そういった不測の事態にも対応できる余裕((隙間時間)を持ちスケジュール調整すると良いでしょう。


転職活動に必要な期間
転職活動に充てられる時間は人により違いますが、必要な手順は同じです。「とりあえずやってみよう」では、転職活動が長引く原因となりモチベーションも低下していきます。情報収集から始まり面接・内定と進み、退職や入社というのが一般的な流れになりますが、それぞれのポイントを押さえスケジュール管理をしましょう。
転職活動の3ステップ
ステップ1 (2週間~1カ月) | ステップ2 (1カ月~2カ月) | ステップ3 (1カ月~2カ月) |
---|---|---|
事前準備 ・自己分析 ・企業の下調べや情報収集 | 応募・選考 ・書類作成 ・面接 | 内定・入社・退職 ・入社準備 ・退職準備 |
各ステップにおいて個人差はあるものの、準備を始めてから入社するまで、おおよそ3カ月程度かかります。内定までスムーズに進んだとしても現職の引継ぎなどを考慮すると、もっとかかる場合もあるでしょう。その点も踏まえた計画を立てる必要があります。
ステップ1 事前準備
面接の必勝法はとにかく事前準備です。事前準備がおろそかだと面接の場面でも本領発揮できず、悔いが残る結果になりかねません。応募企業の下調べだけではなく、企業の理念や業績なども念入りにチェックし面接で聞かれることをシミュレーションしておくことも大切です。
また、自分の強みや企業へのアピールポイントを精査し、自信をもって挑むことが面接を勝ち抜く鍵になるでしょう。




ステップ2 応募・選考
応募する企業が定まったら、一社ずつ応募するのではなく複数の企業に応募する「複数応募」が望ましいでしょう。一社ずつ応募し結果を待っていては、時間がかかりすぎ効率が良くありません。定めたゴールに期間内に到達するためには、要領よくこなしていく必要があります。
限られた時間の中で、より多くの面接を受けるためには効率的なスケジュール管理が必須といえるでしょう。
しかし、一社ずつ集中して向き合いたいのならその何倍もの時間がかかりますが、転職活動期間を長い目で設定できる場合には有効でしょう。




ステップ3 内定・入社・退職
内定をもらったら、いよいよ退職に向け動き出します。入社日・退職日を決め正式に退職手続きへ進みます。ここでのポイントは、退職日を入社日の前日にすることです。その理由としては、退職日と入社日の間が空くと雇用保険や社会保険の手続きが必要となり、手間が増えるためです。
しかし、退職の申し出は企業によって定められている期間があるので、「1カ月前」なのか「2カ月前」なのか事前に確認し、それに合わせたスケジュール調整が必要になります。
可能であれば、「入社日の前日に退職日を設定する」ということが上手な計画の立て方と言えるでしょう。
逆算スケジュールで計画的に
「〇月までに転職したい」というゴールから逆算し、それに合わせたスケジュールを立てましょう。「転職活動の3ステップ」を理解し期日設定することで、時間を無駄にせず効率的に進めることができます。
まずは、明確な目標を立て現職の業務に支障をきたさないよう、ゆとりのあるスケジュール管理を行いましょう。
失敗しない計画の立て方
そもそも失敗しない計画とはどのようなことでしょう。逆算スケジュールを立ててもうまくいかない場合もあると思います。なぜ上手くいかないのか、それは「計画倒れ」になっているからです。
おおまなか方向性・計画をもとに進んでいても日々状況は変わっていくため、その状況の変化に対応していく必要があるのです。
目標をぶらさない
最終的目標「〇月までに転職したい」という目標がぶれると、元も子もありません。この「目標」が無くてはスケジュールが決まらないのです。それほど「目標」というのは、重要なものであり迷わず進むための指針になります。
計画を見る
計画したことに満足しているだけでは「計画倒れ」になってしまうでしょう。落とし込んだ計画を「目で見てチェックする」ことが失敗しない鍵になります。スケジュール管理アプリの活用、手帳の活用など常に確認できる状態でいることが大切です。
計画の進捗進歩管理
「目標」に向かい進んでいても日々状況は変わっていきます。急な予定が入るなどの問題も発生するでしょう。そのため、ゴールは変えずそこに至るまでのルートを調整していくことが重要です。そのルート調整する部分が「事前準備」なのか「企業選び」なのか、もしくは「退職までの引継ぎ期間」なのか、どこを調整することで目標に到達するのかの「計画の見直し」も必要になります。
職種を決める
明確に「この仕事をしたい」と決めることが出来れば良いですが、転職はしたいけど「やりたい仕事がわからない」と悩む人も多いはずです。
- 今の職種にやりがいを感じている
- 今の仕事が合わないから別の仕事をしたい
- 資格はあるけど未経験だから迷っている
- 自分にあう仕事がわからない
転職したい理由を掘り下げることで、本当に求めている職種を探しましょう。一つずつ段階を踏み決めていくことで、計画性の高い転職活動が行えます。
職種の決め方
悩んでいる点を掘り下げてみましょう。
今の職種にやりがいを感じている
この場合、職種自体に不満はなく企業やその他に対してのことが職理由になります。やりがいを感じている同職で、あなたの不満を解決できる企業を選ぶことで、より仕事に対して前向きに働けるでしょう。
今の仕事が合わない
安易に転職をするのではなく、「なぜ合わないのか」「なぜ向いてないと感じたのか」を具体的に考えてみましょう。
「ミスばっかりする」「先輩に注意される」ので向いてないと感じたのであれば、もしかしたら研修制度が整っていない企業なのかもしれません。今の職種のままでも条件が合う企業を選ぶことでやりがいを感じることもできるのです。
資格はあるけど未経験だから迷っている
未経験だからといって不利になるわけではありません。専門分野に特化した資格であれば求めている企業は多いのです。取得した資格を活かし働ければ経験も積めスキルアップにもなります。即戦力を求めている企業の場合は実績も重要になりますが、未経験からでも可能な企業を選ぶことで無理なくスタートすることができるでしょう。
自分にあう仕事がわからない
「自分の強みはなにか」「身に付けたいスキルはなにか」という視点から職種を決めるのも一つです。出来ないことをやるのではなく、「できることをやる」「チャレンジしたい目標」から職種を選ぶこともできます。
人と話すことが好きであれば営業職にチャレンジしてみる、パソコン作業が得意であれば事務職にチャレンジするなど。しかし、注意しなくてはならない部分もあり、「とりあえずやってみる」ではリスクも大きくなります。いずれも目的意識をしっかり持ち、やりとげる決意を強く持つことが重要でしょう。認識の甘さは、転職失敗になりかねません。計画段階でより慎重に考える必要があります。
企業選びの軸
就職活動を進めていくと、「転職の軸」「企業選びの軸」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。これは「企業選びをする際の自分なりの基準」のことで、転職を成功させるために重要な部分になります。
「なぜ転職するのか」「転職後にどうしたいのか」という大切にする部分を明確にすることが、企業を選ぶ指針になります。
この「企業選びの軸」をもとに転職活動は進んで行くので、「目標」と同じくらい「企業選びの軸」をしっかり決めることが求められます。
例
- 年収は500万円以上ほしい
- 出来れば転勤はしたくない
- 子どもに合わせて土日は休みたい
- これまでのキャリアを活かしたい
- スキルアップできる企業が良い
- 資格を活かしたい
理由があって転職活動をするのですから、「転職条件に求めるもの」があるはずです。
[ MUST ]と[ WANT ] の振り分け
応募企業を決める際に、企業に求める条件を「MUST(絶対に譲れない条件)」と「WANT(出来れば叶えたい条件)」に振り分けします。希望条件を整理することで、正しい選択ができ納得した転職ができます。
つまり「MUST条件」を満たさない企業は「検討外とする」ことが失敗しない転職活動と言えるでしょう。
転職のタイミング
転職のタイミングをスケジュール管理にきちんと落とし込みしましょう。面接、内定とスケジュール通りに進んでも、入社日と転職日が合わないことには転職ができません。せっかく内定をもらったのに「上司になかなか報告できない」「現職が繁忙期に入り退職を言える雰囲気ではない」「引継ぎ時間が足りない」など、これでは本末転倒です。
そもそも「繁忙期にぶつかるようなスケジュールを組んだこと」や「引継ぎ時間を考慮しないスケジュールを組んだこと」が失敗でしょう。そうならないためにも転職までのスケジュールを事前にきちんと立てる必要があります。
転職時期は、3月と9月がよい
多くの企業は、3月と9月が最も求人募集が多くなります。4月から上半期、10月から下半期がスタートする兼ね合いもあり、この時期の転職が狙い目になります。しかし、求人が多いということはライバルも増えるのです。
ライバルに勝つために自分を大きく見せがちですが、「減点されないこと」に意識をおく必要があります。応募書類の小さなミス、挨拶、面接時の話し方など初歩的な部分で減点されることの無いようにしましょう。
円満退社を目指そう
転職するから今の会社にどう思われても良いということはなく、せっかく築いた人脈や成果を台無しにしてしまうことの無いよう自身の価値観を下げない退職がベストです。「惜しい人材を失った」「今までよくやってくれた」と思ってもらえるためにも、最後までしっかり仕事をやり遂げましょう。
退職意思を伝える時期、後任への引継ぎ期間、取引先への挨拶まわりなどの時間も含めたスケジュールを立てる必要があります。


限りある時間を有効活用しよう
在職中の転職活動は、想像以上に大変なものです。職務と転職活動の同時進行になるため「時間がない」と感じるでしょう。ましてや水面下で転職活動を行っている間は、負担も倍増します。焦りは禁物ですが、時間を無駄にすることのないよう優先順位を付け、日々のスケジュール管理をしっかり行いましょう。
まとめ
転職活動を成功させるためには、「計画」と「スケジュール管理」が重要になります。自分の置かれている状況を把握し、上手な時間の使い方をしていくことが大切です。「計画倒れ」にならないよう、「見直し」と「改善」を行い、常に最高の状態で転職活動に向きあいましょう。
スケジュール管理がうまくいけば、転職までの時間短縮も可能になり新しい企業へ費やせる時間も増えるということです。
以上、ご紹介した転職スケジュールのコツを抑え精度の高いスケジュール管理を目指しましょう。