希望年収って本音を伝えてもいいの?企業の意図と年収アップのための答え方

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転職活動において希望年収はとても重要です。年収アップを目指し転職する方ならなおさら気になる点です。
「本当に希望年収を伝えてもいいの?」「どう答えればいいの?」と不安に思われている方も多いのではないでしょうか。
希望年収は採用企業にとって合否を判断する材料になるとともに、応募者の価値観を知る重要項目になります。

「高めに伝えたら自信過剰ととられる?」「低めの金額の方が採用されやすいのでは?」など採用担当者の反応が気になりますね。「できるだけ多く」というのが本音かもしれませんが、自身の能力を考慮し謙虚に回答する事で面接時の印象を良くすることができるでしょう。

実際に自身で転職を3回経験し、また上場企業で採用担当として年間で書類選考3000件、面接500人を見てきた筆者がこれらの疑問について回答します!

転職に失敗しないためにも、ぜひチェックしてみましょう。

この記事を読むとこんなメリットがあります!

・希望年収をどのように設定すればいいか、考え方や方法がわかる。
印象が悪くならない、希望年収の伝え方がわかる。
年収アップを叶えるための交渉術が身につく。

目次

希望年収を聞かれる理由

転職時の履歴書に希望年収を記入する項目がある場合でも、面接では必ずと言って良いほど希望年収を聞かれます。なぜ面接時に希望年収を聞かれるのでしょう。採用担当者が聞きたいポイントを理解し、質問意図にマッチした回答をする必要があります。

1. 採用経費とのマッチング

面接時に希望年収を聞かれる一番の理由は、企業が決めている予算の範囲内かを確認するためです。どんなに良い人材でも、採用経費から大幅にオーバーする場合には採用を見送ることになるでしょう。例えば、募集要項に「年収350万」と記載があるのにも関わらず、希望年収を「年収450万以上」と伝えてしまうとマイナスの印象しか与えないのです。

基本的に、採用担当者の一存では予算の変更はできません。内定を最優先に考えるのであれば、企業が設定している金額内で伝えることが重要になります。

2. 応募者の自己評価の確認

希望年収を聞くのは、応募者の自己評価を確認する為でもあります。「自身をどのように評価しているのか」「過剰評価していないか」など、人柄を確認する上でも重要な部分になります。採用担当者は、職種・経験・年齢などを踏まえ客観的に自身を把握できているのかを知りたいのです。

3. 仕事や給与に対する価値観の確認

価値観は人それぞれ違うため、希望年収に対する姿勢を見ています。例えば、前職で年収400万の人の希望年収が350万だった場合「昇格・昇進を目指していないのか?」「前職でなにか問題があったのか?」など思わざるを得ません。

「働く目的」や「会社に対する貢献度」を確認する意図もあるのです。

希望年収=理想の金額ではない

「希望」とあっても欲しい金額を伝えれば良いわけではありません。収入は高いに越したことはないですが、面接時に聞かれている「希望年収」はその企業で働くにあたり自身の力量をフルに発揮する為に見合った金額提示のことです。

理想の金額を聞かれているのではないという部分を念頭におき、経験や実績を踏まえた総合的な視点で考えましょう。

理想ではなく、根拠ある金額を提示することが大切です。

伝え方ひとつで希望年収より高い金額で採用されるケースもあれば、その逆もあり得るのです。

重要なのは正当な理由

希望年収の高い・低いが注目されているのではなく、重要なのは正当な理由「根拠」なのです。採用担当者は、その金額を希望する理由の裏付けが聞きたいのです。

企業には、給与水準というものがあるため大幅に高い金額での採用は難しいでしょう。しかし、決して安い金額で雇える人材を求めているわけではなく、企業に必要な人材を適正な金額で採用したいと考えているのです。

そのためにも、きちんとした「根拠」を伝えることができれば給与水準の枠の中で上位になることは可能なのです。どのように即戦力となれるのか、企業にとってどんなプラスとなるのかの裏付けを行い、納得してもらうことが重要になります。

希望年収の決め方は?

求人募集要項に記載されている金額の範囲内という前提はありますが、幅がある場合悩みますよね。基本的に前職の給与を基準とし同等、もしくは若干高めで設定するのがよいでしょう。転職における収入面の優先順位をもとに、応募企業への希望年収を決めましょう。

優先順位から考える

転職するにあたり、金銭面や収入面を重視するケースは少なくはありません。収入面の優先順位が高いのであれば、前職の給与より若干高めで設定する。収入面より仕事内容や職場環境などの優先順位が高いのであれば、前職の給与と同等程度で設定するケースが多いです。

当然ながら年収アップを目指す場合は、実力が比例する必要があり、そうでない場合はたとえ採用されたとしても実力がついていかず転職を繰り返す結果になり兼ねません。自身のスキルや実力をしっかり見極めましょう。

源泉徴収票を確認する

年収とは、総支給額のことです。面接時に「希望年収は?」と聞かれ、「手取り30万円希望します」と答えるのは間違いです。企業が求めているのは、総支給額であり手取り額ではありません。

手取り額には、社会保険料や税金、交通費や役職手当てなども含まれるため一概に実力に比例する給与とは言えず比較しにくいのです。

年収は、一年間の総支給額となり給与のほか賞与も含みます。自身の年収を正確に把握していないと誤った回答をしてしまうことになります。毎年年末に作成される源泉徴収票の「支給欄」に書かれている金額が「総支給額」ですので、事前に確認しておくと良いでしょう。

採用担当者は、その全てを踏まえ応募者の希望年収と自社の給与規定の照らし合せを行い、合否判定の一部としているのです。

年収アップを目指すためには

転職するからには年収アップさせたいと思うのが本音だと思いますが、いくら年収アップを希望しても企業側があなたを採用するメリットがなければ難しい所です。この「売り込み」が出来るかどうかが大きな鍵となります。

企業に必要な人材だと思わせる、貢献できる人材だと思わせるにはどのようなことに着目すればよいのでしょうか。

給与交渉のポイント

給与交渉は、一歩間違えるとマイナスな印象を抱かせてしまうものです。面接時に失敗しないためにも「伝えなければならないこと」と「タイミング」に気をつけシュミレーションしておくことが大切です。

1.自身のスキルや経験を明確にする

これまでに培ってきた経験から、自身の「強み」や「活かせること」を整理し、わかりやすく伝える。

具体的エピソードや数字を用いて話すとよいです。強気な姿勢や口調にならないよう十分に注意しましょう。ただ伝えれば良いわけではなく、採用担当者にあなたの人柄や仕事に対する熱意を伝えることが重要なのです。

2.根拠ある金額を提示する

業界の相場や応募企業の水準を把握した上で金額を提示する。

応募要項の年収幅がある場合、最低ラインはどのようなポジションなのか、そして最高ラインはどのようなポジションンなのかを事前にリサーチしておくとスムーズに進められます。

企業説明会で聞いた先輩社員の話しや、ホームページ上に書かれている給与例などから情報を得ることは可能です。その上で、自身はどの段階にいるのか、また培ってきた経験から一歩上のポジションを視野に入れて伝えることも年収アップヘ繋がるでしょう。

3.タイミングを見極める

基本的には、面接時に採用担当者から聞かれたタイミングで回答するのがベストです。

上記で挙げた相手に納得してもらえるような根拠と金額を示し、歩み寄る姿勢を見せることも忘れてはいけません。あくまでも「企業に従う」という謙虚さを持ち、極力マイナス印象を与えないように心がけましょう。

もし企業側から聞かれない場合には、面接の最後に「何かご質問は?」と求められた際に切り出すと良いでしょう。

希望年収の伝え方は?<解答例>

では、面接時に希望年収を聞かれたらどう答えるとよいのでしょうか。

No良い回答例
1給与につきましては、御社規定に従います。

2前職では350万円程度いただいておりました。この度は未経験の職種に挑戦させていただくことにはなりますが、前職と同等程度を希望させていただけますと幸いです。
3前職では400万円いただいておりましたので、同等もしくはそれ以上を希望いたしますが、最終的には御社の規定に従うつもりでございます。
4入社後は培ってきた経験やスキルを最大限に活かし成果を出したいと考えておりますので、400万円を希望いたします。最終的には御社の規定に従いたく存じます。

「最終的には御社の規定に従う」と付け加えることでクッションができマイナス印象を和らげることができます。

金銭面の話しはデリケートなので伝えにくい反面、誠実に伝えることが出来れば好印象になります。面接時にベストな回答ができるようしっかり準備しておきましょう。

私情を持ち込むのはNG<解答例>

希望年収を伝える際、私情をはさまないよう注意しましょう。

給与は仕事に対して支払われるものであり、個人の私情により変動するものではありません。そのため必要以上の私情を持ち出すのはマナー違反なのです。

No悪い回答例
1前職では350万円いただいておりました。しかし施設に入っている母の介護費用がかかるため前職以上の年収を希望します。
2希望年収は400万円程度をお願いしたく存じます。来春より長女が中学校に入学するため今まで以上に多くの収入が必要となります。
3前職では320万円いただいておりましたが、もうすぐ子どもが生まれるので可能であれば350万円以上を希望いたします。
4いくらでも構いません。御社にお任せします。

たとえ、結婚・出産・入学・進学などが転職の理由であっても、それは転職理由であり、「希望年収」とは切り離して答えるのがベストです。つい面接時の話しの流れで付け加えがちですが、私情は関係ないため注意が必要です。

年収アップの不安解消にはプロの手を使う

希望年収を叶えるためにいろいろと考えていくと、いったい自分に見合う金額はいくらなのかわからなくなってきますよね。また希望はあるののの、自分で直接交渉するのはやはり気が引ける…ということもあるかと思います。

そんなときこそ、転職エージェント(人材紹介会社)というプロの手を借りましょう。エージェントは毎日数多くの転職希望者と面談していますので、あなたの市場価値から適切な年収についてアドバイスしてくれます。

さらにあなたに代わって企業と年収交渉をしてくれますので、精神的不安からも解消されます。あなたがするのは、エージェントにしっかりと希望を伝えること。あとはお任せで大丈夫です。

こちらの記事におすすめのエージェントをまとめていますので、良ければ併せてご覧ください。

評価は後からついてくる

希望年収をアップさせたいと考えている場合、今すぐの金額ではなく入社後の成果次第でアップする可能性も忘れてはいけません。実績を残し正当な評価のもと給与アップは可能なのです。まずは、与えられた職務をしっかりこなし企業に貢献することが求められます。

給与=価値の対価

給与は働いた対価として支払われます。企業に貢献できる価値が大きくなれば、その分対価として支払われる給与も大きくなります。価値を大きくするためには、実績を残す必要があります。実績を残すためには、与えられた仕事を正確にこなす必要があります。また、企業が求めている実績以上の結果を残すことができれば必然的に価値は大きくなるのです。

努力や頑張りだけでは大きな評価は得られず、最終的には「結果」が重要視されるのです。

まとめ

希望年収はあくまで「希望」であり、それが「絶対に譲れない条件」ではない限り「御社の規定に従う」というのが一般的です。だからといって「いくらでもいいです」「お任せします」では逆効果です。根拠ある希望年収を伝えることは大切なことです。自身の力量に見合った金額提示をすることにより、自己分析や仕事に対する価値観を確認し、企業とのマッチングを確かめる大切な項目なのです。

「自分と企業が納得できる解答」を用意し、好印象を与える面接にしましょう。

希望年収って本音を伝えてもいいの?企業の意図と年収アップのための答え方

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